∞えろいんぴつ∞

地域周産期母子医療センターの病棟・助産師外来・内科病棟で働いています☆★☆★気づけば助産師12年目★日々のあれこれ、聞いてくれる人はともかく言っておきたい(● ´∀`)ノ★糖尿病・妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠のサポートのエキスパートとなるべく勉強中!!めざせ糖尿病に強い助産師県内No.1(*`・ω・)ゞ

ハッピーニュース!・・・でいいのか(´・ω・`)

カナダー成田便の機内でのカナダ人女性の出産。

朝からWSでもたくさん見ましたが…

大きなトラブルもなく、『母子ともに健康』だったから

美談、ですんでいると思いますが、助産師としてはなんだかな…、と絶句一歩手前のニュースです(●´Д`●)

写真の赤ちゃん…どーみても正期産の赤ちゃん。

陣月で国際線、って日本に何をしに来たんでしょうか…?

日本の航空会社の規定では(LCCまでは把握していません)

・国際線に妊娠後期妊婦が搭乗する場合には、医師の診断書が必要

・出産予定日7日以内に搭乗する場合には、医師の同伴が必要(これは不十分だと思いますが)

となっています。

 

カナダの航空会社の規定も、カナダの方々の常識もわかりませんが、今回のケースは航空機内での出産、想定内だったはずでしょ。。。。。

飛行機が飛ぶ高度では、地上より高度が下がる分気圧も下がります。

ポテトチップスの袋とか、パンパンになりますよね?

日本のほどほど高い山ですら。

それが妊娠子宮でも起こります。

なのでおなかはパンパンにはりますよ。臨月ならなおさら。それで子宮収縮が誘発されるのは当然です。

飛行機を利用する里帰り分娩は、単胎でも32週までを推奨(´・ω・`)

去年、28週の双子妊娠中の妊婦さんが九州にサッカーの応援に飛行機で行きたい、なんて言って診断書のことで病棟で大騒動になりましたが。

 

最近、『マタ旅』とかいって妊娠中の旅行を楽しむ方も多くいるみたいですが、妊娠中の旅行を相談すれば、必ず産科医も助産師も「最終的には自己責任なので自分で決めて」というはずです。

 

ここで「いいよ~いいよ~。落ち着いているから楽しんできて~」なんていう医療者を信用してはいけません。ちゃんと考えている医療者ならきちんとリスクについて情報提供してくれるはずです。

「自己責任」の四字で片づけられていますが、ここにはとても広い意味と最悪の事態を想定しての深い穴があります。 

 

授かり婚で、安定期に入って海外で挙式、なんて方も私も多く目にしますが、「何もなく帰ってこれてよかったね」といつも思います。

海外で流産・早産したら…って考えて行ってらっしゃるのかな?とも思います。

海外旅行の保険はいろいろありますが、海外での出産・赤ちゃんの入院をまかなってくれる保険はないようです。

保険のきかない、言葉もよくわからない海外で出産・早産で赤ちゃんが入院。

赤ちゃんって1歳まで飛行機乗れないんじゃなかったっけ?

それが全部自費。

そうなれば5000万円以上は確実でしょうね。

そこまで考えて決断することが『自己責任』に含まれているのです(*`・ω・)ゞ

 

ただでさえ変化しやすく自由の利かない妊娠中。

確かに妊娠は「病気ではありません」が、いつでも異常に転びやすいやじろべえみたいなものです。

|ω・`) 「私は自分が妊娠中には、飛行機には乗りません」

これが、今日の感想。

 

今日は、ちゃんとした話。

「お医者様はいらっしゃいませんか?」に声を上げた3人の医師。立派です。

でも、正直…産婦人科・小児科以外ってあんまり頼りにならない気がします…

そういう事態で手を上げない医療者って多いはずだよね。後で「あの時の対応が悪かった」なんて言われても責任持てないもん。

私だったら、名乗り出るのかな…と何年も考えていますが答えは出ていません。

ホテルに泊まったりするときも、私は職業を明かしていません…(*´×`)